公開日:2022年8月31日

変わりゆく2022年度最新SEO対策の世界に迫る

皆さま、こんにちは。D2C・ECマーケティング支援を手がける「株式会社いつも」で取締役を務めております高木修です。今回は、SEOについての話となります。今はSNSで火がついてそこから売れている商品も出てきてはいるのですが、やはりSEO対策を頑張ったことでグーグル経由の売り上げが何倍にもなっているEC企業の事例は多く存在します。SNS全盛の時代ではありますが、時代と共に変化しているSEO対策の方法について改めて解説していきたいと思います。

目次
  • 1. インスタグラムに見るストレスのない「検索」
  • 2. 最後まで読まれる良質なコンテンツで順位を上げる

インスタグラムに見るストレスのない「検索」


SEOの歴史は長く、もともと日本ではヤフーのシェアが高かったのですが、グーグルがあらわれて検索市場を塗り替えていくわけです。グーグルでは投票制度のようなものを取り入れていました。例えば、学術論法は引用されればされるほど評価が高いものと見なされます。それをヒントに、様々なホームページからたくさんのリンクを貼られれば優秀なページと見なされ、検索順位が上がるというロジックを作ったのです。しかも、きちんとした信頼度があるランクの高いホームページからリンクをもらうと、さらに順位が上がりやすくなるという仕組みです。これは非常に優れたもので、利用者が検索すると探していた情報がすぐに見つかるという評価でした。
その後もリンクの重要性は残るのですが、やがてコンテンツの中身も重要視されるようになっていきます。とりあえず文章量を増やしている企業もいるようですが、そうした流れを受けてのことだと思います。ところがここにきてまたさらに状況が変わった様子が見受けられます。ここからは私の個人的な主観も入ってしまうのですが、グーグルがインスタグラムを脅威に感じているのではないかということです。インスタはハッシュタグで検索する仕組みですが、よくよく利用者に話を聞いてみると、ハッシュタグを何度も入力し直して検索するということはあまりなく、最初から一つのハッシュタグで検索してそのまま求めていた情報にたどり着くという話が聞かれました。

これがグーグルの場合ですと、例えば「キムチ」で検索して「作り方」や「レシピ」などが出てきた場合、キムチを購入しようとしていた人は、また元の検索ページに戻って「キムチ EC」といった形でキーワードを入力し直して再検索することになってしまいます。もちろん、インスタでも何度も検索に戻ってハッシュタグを入れ直している人はいるのですが、基本的にはインスタ内のデータを使ってもともとの自分のつながりなどを通じて、その人の欲している情報がでてくるようになっているので、スムーズに情報にたどり着けるのではないかと考えています。そうなると、グーグルと違って検索をし直さないで済むというのは、かなりストレスのない楽な使い方になるのではないでしょうか。おそらく、グーグルでもこうしたことは感じていて、現在はなるべく検索ページへの「戻る」ボタンが使われない、つまりは一発で検索したい情報が表示されるような仕組みに注力し始めているのだと思います。

最後まで読まれる良質なコンテンツで順位を上げる


こうした状況を踏まえてSEOを考えますと、これはあるクライアント企業の検索順位が上がった時の事例なのですが、まず最初に3月末にページを作り、対象となるキーワードで6月頃にはじめてトップ50位に入りました。その後、7月にトップ10に入り、そこから半年をかけて1位になりました。急激ではなく、じわりじわりと順位を上げていったところがポイントです。決して途中でページの内容を書き換えたりしたわけではなく、最初に上げたページの内容そのままで順位が上がっていったのです。
これは成功した事例ですが、対照的に順位が上がらずに失敗した事例も見てみました。何がいけなかったかを分析してみたのですが、成功事例の方では、ページが最後までしっかりと読み込まれている一方、失敗事例では最後まで読まれずに途中で離脱しているということでした。つまり、グーグル側は閲覧者が満足している良質なコンテンツであるかどうかを判断してそのページの検索順位を決めているということなのだと思います。

では、良質なコンテンツはどのようにすればできるのかを説明したいと思います。グーグルでは検索キーワードを入力するとその言葉の後ろにサジェストキーワードが表示されます。例えば「ドレープカーテン」と入力すると、その後ろに「とは」「安い」「EC」など10個の言葉が表示されます。大体3割くらいが意味に関するもので、残り7割が購入に関わるものとなりました。これが何を意味するかというと、おおよそドレープカーテンについては、3割の人が意味を知りたくて検索していて、7割の人が買いたいと思って検索しているということです。

対照的に、「レースカーテン」で検索しますと、ほぼ100%、ECに関わるサジェストが表示されました。ほとんどの人が意味を知っているものであるため、買い物を目的とした検索しかされていないということです。つまり、サジェストの結果から、消費者がその商品に対して何を求めているのかが理解できるわけです。

分かりやすくもう一度カーテンを事例にして解説しますと、例えば「遮光カーテン」と検索キーワードを入力した際、「安い」「効果」「代用品」「選び方」というサジェストが表示されました。つまりは、遮光カーテンで人に読まれるための良質なページを作るのであれば、このサジェストに沿って値段や効果、代用品、選び方のポイントなどを盛り込んだ内容にすると、検索している人が本当に求めているページとなるわけです。
もちろん、サジェストで表示された以外のキーワードで、自社で詳しい情報を持っている項目があればそうした内容も追加して盛り込んでいってもいいと思います。オリジナリティのある情報ほど読み込まれる理由が増えるわけですから。

トータルでアクセスを増やすためにこれらの情報を盛り込んだオウンドメディアも必要となりますが、順序としては、まず通販サイト内のカテゴリーページや商品ページの中での情報を充実させていくことの方が優先順位が高いと思います。やはり、オウンドメディアに集客するよりも、カテゴリーページや商品ページに来訪された時の方がコンバージョン率が高くなるからです。それがある程度一巡した段階で、オウンドメディアにも力を入れていくという手順が良いのではないでしょうか。

また、その後ページ途中で離脱を防ぐ作業も欠かせません。あるページで途中にバナーを入れた際、急に検索順位が落ちたというケースもありました。おそらく、バナーを入れたことで、見た目の問題としてページの最下部のように捉えられて、結果的にそこで離脱したということなのでしょう。ですから、最初に目次を付けたりしてページ内のどこを読んでいるのかを分かりやすくする配慮は必要かもしれません。そのほかにも、顧客の声はクリック率が高いので、ぜひページ内に取り入れるべきでしょう。もともとこういった話はコンバージョンを上げるためにしていたことですが、今はこうしたことがSEO対策のためにもなるわけです。

繰り返しになりますが、最後まで読んでもらえないページですと検索順位が上がりにくくなっています。改めてコンテンツの中身が大事になるということで、検索キーワードに沿った情報を掲載しているかどうかを今一度しっかり確認するべきです。決して専門的な技術がいる作業ではなく、シンプルで分かりやすいことなので、コツコツと取り組んでいけば結果が出るのではないでしょうか。

※この記事は宏文出版株式会社の月刊ネット販売2022年8月号掲載の記事を基に再構成したものです。

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高木修
高木修
株式会社いつも 上席コンサルタント
EC戦略立案、海外ECリサーチ、「鉄則コンサルティング」プログラム開発責任者。いつも.式EC成長プログラムを多数開発。
アメリカ在住経験もあり、海外ECモデルにも精通。毎年アメリカ視察を行い、小売およびECの最新動向も収集し、日本での活用を提案している。
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最新SEO対策に関するよくある質問

 

2022年の最新SEO改善事例は?
成功事例の方では、ページが最後までしっかりと読み込まれている一方、失敗事例では最後まで読まれずに途中で離脱しているということでした。
つまり、グーグル側は閲覧者が満足している良質なコンテンツであるかどうかを判断してそのページの検索順位を決めているということなのだと思います。
詳しくはページにて説明。
https://itsumo365.co.jp/blog/post-18181/
ECサイトの売上を上げるためのSEO対策とは?
順序としては、まず通販サイト内のカテゴリーページや商品ページの中での情報を充実させていくことの方が優先順位が高いと思います。
やはり、オウンドメディアに集客するよりも、カテゴリーページや商品ページに来訪された時の方がコンバージョン率が高くなるからです。

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