2019年のノーベル生理・医学賞をわかりやすく解説!(少し難しめ)
2019年のノーベル生理・医学賞をわかりやすく解説!(少し難しめ)
本日、ノーベル医学・生理学賞は細胞の酸素センサーの研究をしていた
アメリカ人の研究者3名が受賞しました。
一般的なわかりやすい内容もブログとしましたので、
こちらへどうぞ。
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business-goodsense.hatenablog.com
今回は、少し専門的な内容の下記2つに絞ってご紹介します。
1.hypoxia- inducible factor-1 (HIF-1)の細胞内 シグナリング
2. 下流の転写分子
3.分子構造
です!
1.hypoxia- inducible factor-1 (HIF-1)の細胞内 シグナリング
1つ目の細胞内 シグナリングは下記の図がわかりやすいです。
チロシンキナーゼが活性化されると、PI3K→Akt経路、または
Ras→MAPK経路のシグナルが進みます。
そうするとHIF-1の合成が誘導され、アルファサブユニット、βサブユニットが
転写を誘導し、 下流の遺伝子の発現が進みます。
PI3K→Akt経路、Ras→MAPK経路はそれだけで体の中のいろいろな場所で活躍している
分子です。
主にがん系です。
2. 下流の転写分子
下流の転写分子については、網羅はできていませんが、一部だけを示しますと、
・赤血球生成
・血管新生
・Larエネルギー 代謝
・鉄 代謝
・カテコールアミン 代謝
・血管運動制御
などです。
3.分子構造
いかにも転写調節因子のような形ですね!
本当は、がんとの関連、腎疾患の関連についても調べたいのですが、今日はここまでです!
HIF-1という分子の発見、体の中でのキー分子としての振る舞いの解析、非常に素晴らしいお仕事なのだと思います。
その一端を垣間見え、皆様にお伝えできれば幸いです。
参考文献
1. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9510527
2. https://www.kidney-international.org/article/S0085-2538(15)59917-1/pdf
3. https://jeb.biologists.org/content/jexbio/201/8/1153.full.pdf